DeFi:流動性提供とLPトークンの取り扱い

このページではDeFi(デファイ/分散型金融)独自の取引、流動性提供の計算方法についてご紹介します。

2021年12月時点で国税庁からの明確な指針は出ておらず、計算方法について、最終的には担当の税務署にご確認ください。また今後指針が発表された際に以下の計算方法とは異なる指針となる可能性もございます。

 

1.流動性提供/LPトークンとは

  • 流動性提供・・・プラットフォーム上のプールにコインペアを預けいれること。また、そのプールでの取引量に応じていわゆる利息のようなものを受け取ることができる。
  • LPトークン・・・上記のように流動性提供をした際に受け取る預り証明書のようなコイン。

 

2.クリプタクトでの取り扱い

流動性提供の開始時(預入時)と解除時(引出時)のコインの増減にのみ着目し、増減があった場合のみ差分について損益を算出する方法をデフォルトとしています。
DeFi取引の計算方法のご紹介とカスタムファイルでの記載方法

よって、流動性提供の開始/解除や、LPトークン自体の増減は損益には影響がないと判断し、損益には組み込まない仕様となっております。

 

3.流動性提供/LPトークンの計算方法

  計算方法
流動性提供開始 損益の発生なし
流動性提供解除

預入時と引き出し時のコインの数量の差に応じて損益を算出

・増加分:BONUS(時価での利益認識)
・減少分:LOSS(損失計上)

 

例1:一度にすべての流動性提供を解除する場合

計算としてはシンプルになり、預入時と引き出し時のコインの数量の差に応じて損益を算出することになります。

  1. 10枚のXコインと15枚のYコインを預入して、10枚のLPトークンを取得
  2. 10枚のLPトークンを戻して、12枚のXコインと14枚のYコインを引き出した

引き出し時の対応

Xコイン:(12-10)=2 枚をボーナスとして認識

Yコイン:(14-15)=-1 枚を損失として認識

 

例2:複数回にわたり流動性提供を開始し、一部のみ解除する場合

LPトークンの枚数から解除時の割合を算出してから、預入時と引き出し時のコインの数量の差に応じて損益を算出することになります。

  1. 10枚のXコインと15枚のYコインを預入して、10枚のLPトークンを取得
  2. 20枚のXコインと40枚のYコインを預入して、20枚のLPトークンを取得
  3. 5枚のLPトークンを戻して、6枚のXコインと8枚のYコインを引き出した

引き出し時の対応

Xコイン:6 - ( 5 / ( 10 + 20 ) × ( 10 + 20 ) ) = 1 枚をボーナスとして認識

Yコイン:8 - ( 5 / ( 10 + 20 ) × ( 15 + 40 ) ) = -1.166… 枚を損失として計上