このページでは、仮想通貨の損益算出方法である「総平均法」と「移動平均法」について説明します。
1.「総平均法」と「移動平均法」とは
国税庁の指針により、仮想通貨の損益計算には「総平均法」と「移動平均法」の2種類の算定方法が使用されます。
- 移動平均法:仮想通貨を購入する度、「平均取得単価」を算出する方法
- 総平均法:期間内全体の購入金額合計を、購入数量合計で割って「平均取得単価」を算出する方法
クリプタクトでも、算定方法を2種類より選択していただけます。(※個人の場合、届出を行わない限り「総平均法」が適用されます。)
クリプタクト帳簿設定の変更方法
▼詳しい届出の方法は以下ホームページを参照
国税庁:所得税の仮想通貨の評価方法の届出手続
国税庁:所得税の仮想通貨の評価方法の変更承認申請手続
2.平均取得単価とは
各コインの取得価格の平均値を指します。
クリプタクトでは、お客様がアップされた取引を元に「平均取得単価」を算出しています。
※国税庁からの指針により、取引所ごとの損益計算は求められていません。
取引所毎の損益計算及び表示について
手数料などは考慮しない簡単売買の例を使って、総平均法/移動平均法の2通りの平均取得単価の算出方法を紹介します。
例:2022年度内に、ビットコイン(BTC)の売買を円建で以下順番で取引したとします。
①500円で2BTC購入
②1,100円で1BTC購入
③1,200円で1BTC売却
④1,000円で1BTC購入
▼総平均法での平均取得単価算出方法
期間内の購入取引である①+②+④の合計金額を4枚で割った価格が平均取得単価となる。
(①500円*2枚+②1,100円*1枚+④1,000円*1枚)÷4枚=平均取得単価775円
▼移動平均法での平均取得単価算出方法
①500円のBTC2枚購入したので、平均取得単価500円
②1,100円のBTCを1枚購入したので、(①500円*2枚+②1100円*1枚)÷3枚=平均取得単価700円
③売却時は変動なし
④1,000円のBTC1枚購入したので、(②700円*2枚+④1000円*1枚)÷3枚=平均取得単価800円
3.計算結果の比較
移動平均法と総平均法の違いは、購入した仮想通貨の「平均取得単価」を算出するタイミングです。
移動平均法は購入の度に「平均取得単価」を計算する一方、総平均法は基準期間の最後にまとめて計算します。
計算のタイミングが異なるため、単年度での計算結果は異なるものの、すべてのコインを売却した際に生じる所得金額は基本的には一致します。
例:
①500円で2BTC購入
②1,100円で1BTC購入
③1,200円で1BTC売却
④1,000円で1BTC購入
⑤2023/1/1に、1,350円/枚で3BTC売却 ※保有枚数0になった。
▼総平均法
▼移動平均法
このように、年度ごとの損益は異なりますが、すべてのコインを売却した時には、合算の損益結果は一致します。(※税率の変動などは考慮していません。)
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