このページでは、「年度末評価損益を損益に加算する」機能について、解説します。
1. 「年度末評価損益」とは
2019年4月の税制改正以降、法人の場合は期末時点の保有通貨について、評価損益を算出する必要があると認識しております。
法人設定の「年度末評価損益を加算する」を選択いただくことで、年度末に保有しているコインの評価損益を年度損益に加算します。
- 洗替法:期末の時価評価損益を計上した後、翌期首の平均取得単価を前年度の期末の平均取得単価に戻す方法
2. 設定方法
STEP1:
「帳簿設定」の一般設定をクリックする。
STEP2:
法人設定の「年度末評価損益を加算する」より「洗替法」か「切放法」を選択し、「更新」をクリックしてください。
3.年度末評価益の確認方法
計算完了後、「サマリー」の「年別」タブをクリックすると年度ごとの期末評価損益等をご確認いただけます。
洗替法の場合
翌期首の平均取得単価を前年度の期末の平均取得単価に戻します。期末時価評価分の戻し入れについては年度損益に自動で加算されます。
切放法の場合(2024年12月より、新規では選択いただけません)
前期末の時価評価額を翌期首の平均取得単価に採用します。
その他の補足事項:
総売上:
各取引時における利益計算における総取引額となっており、取引クローズ時のコインの「価格 x 数量」を日本円建てにした金額の合算となります。例えば売却取引であれば売却金額、ステーキング、ボーナス、レンディング等で通貨が付与された取引であれば付与された時点の時価相当額、といったものになっております。
総仕入:
総売上から損益計算で計算した実現損益を控除した金額を仕入として記載しております。(なお、該当年度において「売却」取引が発生しなかった場合は、総仕入は0円になります。)
※総売上、総仕入は法人、税理士の方には決算書などで必要な情報と認識しており表示させております。
4.年度末時点で価格データを取得していないコインに関する対応
年度末時点で時価データを保有していないコインについては、本機能を適用することが出来かねます。価格を取得できているかどうかは対応コインリストの「取引履歴の価格」をご参照ください。価格データを保有していないコインについては別途カスタムファイルにてご自身でご対応をお願いします。カスタム取引のフォーマットはこちらをご参照ください。
洗替法の場合
- 該当年度の期末時点の価格をお調べいただき、期末評価損益をご自身で算出し、CASHのアクションを用いて入力
- 翌期の日付で期末時価評価分の戻し入れ分をCASHのアクションを用いて入力
※CASHの記載方法はカスタムファイルの記載方法の事例を参照ください
切放法の場合(2024年12月より、新規では選択いただけません)
- 該当年度の期末日時で、期末時点の数量を時価で売却履歴をアップ
- 翌期の期首日時で、期末時点の数量と価格で購入履歴をアップ
※上記で記載したコインの年度末の評価損益は実現損益として認識されます。
※ 切放法の場合、移動平均法を適用していることが条件となります。また期末時点のコインの残高が0になってしまう点ご留意ください。
5.期末時価評価課税の適用除外サービスを利用した場合の対応
2024年12月時点で期末時価評価課税の適用除外サービスへの自動対応しておらず、本機能を適用した場合は2019年4月1日以降の年度であればすべてのコインに適用される仕様となっております。
恐れ入りますがマニュアルでのご対応をお願いします。
例)2023年に1BTC=100万円で10枚購入。そのうち5枚を期末評価課税の適用除外サービスを適用し、そのまますべて保有したまま年度をまたいだ。2023年度末時点のBTCの価格は1,000万円だった。設定は洗替法を適用した。
- 2023年度末に9,000万円の評価益が計上されるため、2023年度の損益から4,500万円を引く。
- 2024年度に前年度分の9,000万円分の評価益の消込が計上されるため、2024年度の損益として4,500万円を足す。
なお、クリプタクト上で損益を反映させる場合は、カスタムファイルでCASHのアクションを用いて入力ください。CASHの記載方法はカスタムファイルの記載方法の事例を参照ください。ただし、CASHで記載した評価損益分は実現損益として認識されます。
※実際の年度末の時価と平均取得単価は該当年度の損益計算を計算を完了させたうえで、「サマリー」ページの「年別」タブにてご確認いただけます。
6.注意事項
- 本機能は年度末が法改正後の2019年4月1日以降の年度に適用されます。
- 先物取引などでポジションを持ったまま年度をまたいだ場合の処理については税理士にご確認ください。弊社のサービスでは、帳簿設定にて「年度末評価損益を加算する」を適用しても、現物以外について期末評価は行われません。
- 2024年9月現在、仕訳機能はご用意がございません。会計システムへの仕訳や法人決算については税理士にご相談ください。
- 切放法について、2024年12月より新規では選択いただけないようになりました。また、切放法を選択いただいている方も、一度「適用しない」もしくは「洗替法」を選択して更新した場合、再度「切放法」を選択いただくことはできなくなります。